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2014年三陸巡礼…【その3】 [自転車ツーリング]

【その2からの続き】

この旅3日目の5月5日、夜明け過ぎに宮古のホテルで目を覚ますと…外はぼんやりとした薄曇り。スッキリはしないけど、走る分には問題なさそうかな?
ここまで距離300kmほど、登りも3,000m以上走ってきているけど、身体はまぁ大丈夫そう。ただ、自転車の方は…復興中の荒れた路面のせいか2日間で5回もパンクしてしまって、こちらはちょっと不安かも。
三陸巡礼の旅もいよいよ最終日、これまで見てきた被災地の姿を振り返りながら、また新たな景色を求めて…さらに北へと向かいます。
 
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【「あまちゃん」で有名になった三陸鉄道】
 
 
 
 
 
 
もともとの予定では、最終日はここから100kmほどの久慈まででいいかなと思ってたけど、久慈だと帰りの輪行が三陸鉄道経由で一度戻るのでかなり時間がかかってしまうし、ここまで来たら新幹線駅がある八戸まで行っちゃった方がいいかなと。パンク続きが少しだけ不安ではあるけれど…^^;
出発してすぐにホテル近くの宮古駅に寄ったら、キャンセルが空いて帰りの八戸発の新幹線の指定席が確保できたので、あとは走るだけ!
 
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【宿を出発!天気は薄曇り。。。】
 
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【宮古駅で、帰りの八戸発の新幹線を予約完了!】
 
 
 
宮古から国道沿いに一山越えると、海沿いに田老の街が広がっています。ここは昔から幾度となく津波により大きな被害を受けており、そのために巨大な防潮堤が造られていました。長城のように海岸沿いに続くコンクリート製の防潮堤は、なんというか…やはり無機質な感じがします。防潮堤は1960年に襲来したチリ地震の津波からは街を守ってくれたのですが、2011年の東日本大震災による大津波は防潮堤を越え、またところどころ破壊されてまたもや田老の街に甚大な被害をもたらしてしまいました。「田老の防潮堤」は、僕が小学生の頃に本を読んで知っていたので、震災による被害はまたショックを受けた覚えがあります。。。
その後国道が登りにさしかかって、50mほど登ったところに「過去の浸水区間ここまで」の標識がありました。道脇から見下ろすと、さっきの防潮堤がだいぶ遠く、下の方に見えます。津波を避けて高台に住むとなると…色々と考えてしまいますね。。。
 
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【ここから、三陸大津波の被害区間…】
 
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【海沿いには、コンクリート製の巨大な防潮堤】
 
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【震災の大津波は、防潮堤を越えて街を押し流してしまって。。。】
 
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【「過去の浸水区間ここまで」】
 
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【見下ろすと、さっきの防潮堤があんなに遠く、下の方に。。。】
 
 
 
田老を過ぎると、国道45号線は三陸のリアス式海岸に沿ってたびたびアップダウンを繰り返し、北へと向かいます。復興とあわせて自動車専用道路が整備されてきているので、車なら新しいトンネルを抜けて快適に走れるのですが…自転車は新道を通れないので、旧道の峠を越えていくことになります。せっかく新しい道があるのに、心細い旧道を走らされて…まぁ、この旅でだいぶ慣れましたが^^;
 
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【三陸海岸沿いの「サンライズルート」】
 
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【「よっとがんせぇ~!!」ちょっとホッとする東北訛り】
 
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【見所いっぱいの陸中海岸】
 
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【海はいいねぇ~】
 
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【左に行けばバイパスなのに…】
 
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【ああ…登りが…】
 
 
 
さっきの旧道を登っていくと、「鵜の巣断崖」の案内標識があります。右折してしばらく行くと駐車場があり、ここから林の中の遊歩道を歩いて行くと…目の前に現れる断崖絶壁!2時間ドラマの最後の自白シーンのような見事な断崖が続いています。隆起した海岸が長年波に浸食されてできた絶景、素晴らしい景勝地だと思うのですが、付近に観光向けのお店とかが全然ないのが、みちのくらしく奥ゆかしいというか。遊歩道や展望台はしっかり整備されているので、景色に集中できていいのですけどねー。
 
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【林の中の遊歩道を歩いて行くと…】
 
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【目の前に現れる断崖絶壁!】
 
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【聞こえてくるのは波の音と鳥の声…絶景だねぇ。。。】
 
 
 
鵜の巣断崖に寄って往復5kmほどロスしたけど、国道に戻ってツーリング再開。断崖の次は深い谷を渡って…アイスクリームで有名な「道の駅たのはた」へ。お昼過ぎてたのでランチに野菜たっぷりの冷麺を食べて、食後にアイスクリーム!ちょっと肌寒いけれど、牛乳たっぷりのアイスクリームはとっても美味しい[るんるん]
 
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【んと、旧道は補強中…重たいクルマは走っちゃダメ?】
 
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【深い谷に架かる槇木沢橋】
 
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【道の駅たのはたの野菜たっぷり冷麺!】
 
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【牛乳たっぷり、たのはたアイスクリーム!】
 
 
 
道の駅たのはたのあとは、またもや軽車両にのみ課される旧道のアップダウン…標高380m、国道45号線最高標高の閉伊坂峠にはまだ残雪が。そして峠の先には水平線…NHKの朝ドラ「あまちゃん」で有名になった三陸鉄道の線路が見えてきました。ちょうど、トンネルを抜けた列車が海岸沿いの橋を渡るところで、青空[晴れ]も見えてきて、朝ドラのオープニングのような瞬間をパチリ[カメラ]
 
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【またもや、軽車両のみに課されるアップダウン…】
 
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【峠道には残雪。。。】
 
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【国道45号線最高標高の閉伊坂峠】
 
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【峠を越えると…その先には水平線!】
 
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【「あまちゃん」にも出てきた三陸鉄道】
 
 
 
その後も海沿いの道や内陸の道を走り…この旅のもともとの終着予定地、久慈に到着。時間を見ると15時過ぎ、あと60kmほど先の八戸まではまだまだ余力があります。ゴールに向けて、気合いを入れ直して再スタート!
 
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【青空と水平線】
 
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【三陸鉄道沿いに走って…】
 
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【道の駅併設の陸中野田駅】
 
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【三船十段、べっぴんの湯、不思議の国北リアス…!?】
 
 
 
久慈から先はアップダウンもそれほどなく、淡々と走るだけ…と思いきや、タイヤの空気が抜けてきて、今日初めて、この旅6回目のパンク。何故かおまわりさんに職務質問を受けながらも、もはや慣れた手つきで修理完了。ただ、度重なるパンクでチューブが痛んでいた可能性にこのときは気づかず…。

その後、青森県に入ってもうすぐ八戸…というあたりで、荒れた路面に前輪を取られてしまって、その瞬間に「バーン[爆弾]!」と大きな音が…。またパンクかと思ってタイヤを外してみると、チューブが縦に大きく裂けていてバーストしていました…。こうなるともうチューブは直せないのでチューブ交換しかないんだけど、実は初日のパンク修理の際に替チューブをダメにしていて、GWで自転車屋さんも開いてなくてチューブの調達もできず、あと10kmほど残してここで手詰まり。。。
しかも日が暮れて雨[雨]も降ってきて…このままではどうしようもないのでチューブをガムテープぐるぐる巻で応急処置し、土砂降りになった雨の中、なんとか八戸駅に到着。ただ、予約していた新幹線はもう出てしまっていたので、特急券だけ明日朝の予約で買い直して、駅近くのホテルにチェックイン。ずぶ濡れの服を着替えて一息ついたあと、ホテルとなりの居酒屋さんで出してもらった海鮮丼が美味しくて、ホント生き返りました。。。
翌朝は昨日の雨が嘘のように晴れたけど、後ろ髪引かれながらも始発の新幹線で埼玉まで帰ってきました。
 
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【ちょっと不安な荒れた路面…】
 
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【ついに青森県突入!】
 
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【ずぶ濡れで到着した八戸、美味しい海鮮丼で生き返ります。。。】
 
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【翌朝、昨日の雨が嘘のように晴れたけど…】
 
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【始発の新幹線で埼玉へ。。。】
 
 
 
今回の旅は、終始パンクに悩まされてしまった気もするけれど、一度自分の目で見てみたいと思っていた東日本大震災の被災地の姿、自転車の速度でじっくり見ることができて、ようやく念願が叶いました。初日は、津波に押し流された石巻や女川等の姿に気持ちが押しつぶされそうにもなったけど、2日目の奇跡の一本松や大きなベルトコンベヤーに復興の力強さを感じました。そして、3日目では三陸の景色の美しさ、魅力にあらためて気づけたのではないかと。今では震災から6年、この旅からも3年も経ってしまったけれど、復興が進んだ被災地、そして変わらない三陸の素晴らしい景色を観に、またいつか自転車でじっくりと走ってみたいなと思ってます^^。

 
この日のルートはこちら↓

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